詳細説明
目次●はじめに(宮崎徹)◇本書成立の裏舞台@第1話─ 於・鎌倉 養老邸・2021年3月・いにしえの「死」をいだく街、鎌倉・いつもいた「まる」との別れ・二人の獣医師との出会いから、ネコの体の「ごみ掃除」を研究・なぜか哺乳類のうちネコ科だけにはAIMがはたらかない・生命のしくみを突き詰めるほど全体像が見えなくなる・「老化は病気」ならば、治療・予防で「百寿」を得られる・ぎゅうぎゅう詰め社会で立ち話さえしなくなった日本の研究者・これまでと異なる研究アプローチを唱えると嫌がられる・飲み屋での話し合いのほうがよほど勉強になった・教科書に描かれていた「正五角形」は「いびつな五角形」だった・幼虫・蛹・成虫で姿を一変させるチョウは「共生の産物」だったのかもしれない◇本書成立の裏舞台A第2話─ 於・鎌倉 養老邸・2021年5月・新型コロナワクチン接種は「壮大な実験」・専門家でないからこそ「ご破算で」ができる・科学者と政治家の感染症対策会議は「バベルの塔」みたいなもの・幼虫は幼虫としての一生を終えているのに……・成虫にならず、幼虫のまま成熟して生殖しだす昆虫も・なぜ、完全変態しなければならなくなったのか……・昆虫のゲノム解析は、体が硬くてことのほかたいへん・ゲノムを読めても「ネコがなぜいなくなるか」はわからない・研究者のコミュニティでも「煮詰まり」感が・感情のように「n=1」にしかなりえないような研究対象もある・人間がクラシック音楽を「美しい」と感じる過程は……・「a=b」をすべての子が納得できるわけではない・『バカの壁』もAIMも、すんなり受け入れてくれる◇本書成立の裏舞台B第3話─ 於・東銀座 時事通信社・2021年11月・AIM研究への寄付金、2億円を超える・幼虫・蛹・成虫でゲノム構造が異なっている点が多々あった・「なぜ完全変態しなければならなかったのか」という謎は残る・孵化した幼虫がすでに巨大なセンチコガネなどの甲虫類・前に進むには固定観念を打ち破らなければならない・研究者への憧れが薄れゆくなかでの科学研究の継承・有望な医学生が、疲れたお医者さんになってしまう・「なにも縛られない」ことに悩みをもつ子もいる・情報過多が若い人のモチベーションを失くす・研究は「芸事」、身体を動かして学ぶ機会を・ランダムさには階層があり、自分の感覚と合えば心地いい・システム化しようとする分、無秩序も生じてしまっている巻末レポート─ 養老先生へのご報告・ショウジョウバエにおける幼虫・蛹・成虫でのゲノム変化解析(宮崎徹)●おわりに(養老孟司)